山路力也

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濃厚鶏らーめん ゴッチ@東金「家系らーめん」750円

 東金市役所から程近い場所に2014年6月オープンした店ながら今回が初訪問。場所は以前「富士乃家」があったところだろうか。店の前に数台分の駐車スペースがある。店主は並木商事、二升屋出身者とのことだったが、Tシャツにはその二軒の名前の他に武蔵家の名前も書かれていた。自店の名前ではなく修業先などの店名をユニフォームに載せているのも珍しい。 ラーメンは塩が基本のようで、他に家系や醤油、あっさり、辛口などがある。初訪なので基本の塩というのがセオリーなのだが、家系好きとしてはその興味を抑えることが出来なかった。とはいえ、店名にも濃厚鶏らーめんと謳っているし、メニューにも「家系(鶏+醤油)」と書かれているので、純然たる家系が出て来なくとも別段驚きもすまい。 鶏の骨というよりも肉やモミジなどの粘度を感じる鶏白湯に強めの醤油ダレ。このスープの味わいだけならまだ家系で押しきれなくもないが、麺が中細ストレート麺なので家系とはイメージが異なる。具は海苔3枚にほうれん草、チャーシューが家系的だが、ネギが刻みタマネギだったのは房総的パーツ。 予想通り家系でも何でも無かったのだが、丁寧な作りで美味しく仕上げた濃厚鶏醤油ラーメンになっていると思う。これは塩なども美味かろう。若い店主は接客や声出しも控えめな感だったが、それをカバーするかのごとくおばちゃんスタッフのアクティヴな接客が心地よい。

【新店】麺屋ぜろや 稲毛海岸店@稲毛海岸「醤油とんこつ」690円

 千葉市美浜区の稲毛・検見川・幕張エリアは「海浜ニュータウン」として1968年から埋め立てによって造成された地域。着工から半世紀を経た今、ニュータウンの姿も当時とは少しずつ変化してきている。かつて住宅街のコアとして存在した「ショッピングセンター」と呼ばれた複合施設は、大手のモールなどに取って代わられてその数は激減した。高浜エリアにある「稲浜ショップ」は、そんな数少ないショッピングセンターのひとつ。スーパーや酒屋、薬局やクリニック、そして飲食店などが軒を連ねている。 その稲浜ショップ内に2018年1月オープンしたラーメン店。こちらは千葉に本店を構える「ぜろや」の支店で、船橋の「らぁ麺零や」のスピンオフ業態だったと記憶する。他にも都賀や実籾、公津の杜、東京北砂などにも展開しているようだ。ここは以前「がむしゃら」があったところの跡地になるのだろうか。カウンターの他にテーブル席、奥に小上がり席も用意されている。 メニューは「醤油とんこつ」「魚介とんこつ」「油そば」「台湾まぜそば」「あっさり醤油」「濃厚魚介つけ麺」などがラインナップ。前の店が味噌専門店だったが、味噌がないのは意図的なのかな。居酒屋的な使い方も想定しているようで、アルコールメニューやおつまみ系も充実している印象。基本と思われる「醤油とんこつ」をオーダーする。 スープは量産型家系的なアプローチ白濁豚骨スープに、かなり強めで塩っぱいくらいの醤油ダレ。とは言え、野菜なども入れているのか量産型よりも素材感はある。麺は村上朝日の平打ち麺で茹で加減はかなり固い。この麺ならばもっと茹でて欲しいところ。具はバーナーで炙ったバラ肉チャーシュー、キクラゲ、メンマ、海苔、葱。 設計自体は悪くないと思うのだが、細かい部分の詰めが甘いようなズレているような。ただ、夜は居酒屋になるのだとしたらまぁこんな感じで良いのかな。スタッフは厨房とホールの2人体制。オペレーションや接客などは丁寧で好感が持てたので、ラーメン好きでなければ十分に満足出来るのだろう。

千葉拉麺通信18周年

 お陰様で「千葉拉麺通信」は18周年を迎える事が出来ました。これも日々アクセスいただいているユーザーの皆さんと、千葉のラーメン店の皆さんのお陰です。ありがとうございます。 千葉初の千葉専門ラーメン情報サイトとして、2000年2月17日に開設されたこのサイト。インターネット黎明期であった1990年代後半、数あるラーメンサイトの中で、千葉の情報を専門的に扱ったものが無かったことから、千葉ラーメン情報のパイオニアになるべく千葉のラーメン情報だけを発信するサイトとして開設致しました。 千葉のラーメン界を盛り上げるべく、さらに千葉のラーメン好きの人たちが集い、千葉のラーメン店を営む人たちとも交流が出来る場所となるべく、多くのユーザーからの投稿を掲載するラーメンサイトを目指しました。またいち早くラーメンイベントを開催したり、店主間のコラボレーションを企画したり、カップラーメンやプロデュース店舗を手掛けるなど、それまでのラーメンサイトとは異なる様々な企画も立ち上げて、千葉のラーメン界を盛り上げる活動を続けて来ました。その結果、18年間で累計2800万アクセス、2億PVを超える、個人運営としては日本一の規模を誇るラーメンサイトになりました。 2016年秋には、新たに千葉ラーメン情報を発信するウェブメディアとして、全面リニューアル致しました。これからも千葉のラーメン好きの方たちや、千葉のラーメン店を営む方たちと共に、千葉のラーメン界を盛り上げて参ります。今後とも千葉拉麺通信を宜しくお願い致します。2018年2月17日千葉拉麺通信 主宰山路力也(Ricky)

牛そば まるは@船橋「牛そば」900円

 船橋駅と市場通りを結ぶ「山口横丁」沿いに、昨年4月オープンしたお店にようやくの訪問。「牛そば」と大きく書かれた看板が目立つこと。こちらは船橋市内を中心にいくつも店舗展開している「まるは」グループの最新店。かつては「〜代目」とつけていた店名だが、同じく市場通り沿いの「海老そば煮干そば」同様に、最近はまるはの屋号よりもメニュー名を全面に打ち出す方針のよう。そちらの方がお客さんには分かりやすいし訴求力も高いだろう。提灯も意外とアイキャッチになっていて良い感じ。 まるはは各店ごとにメニューやテーマが異なるが、こちらは店名通りに「牛そば」の専門店になっている。これまでまるはグループの味創りをしていた橋本さんが独立されて、新しいブランドが生まれるのか気になっていたが、それは杞憂だったようだ。メニューは「牛そば」をメインに「牛つけ麺」「牛まぜ麺」などで、「国産春雨牛そば」などという気になるメニューも。ご飯ものはもちろん「ローストビーフ丼」。とにかく牛に徹底している。迷いのないメニュー構成とコンセプト。 厨房に面したストレートカウンター9席に大テーブル8席のレイアウト。年輩の男性スタッフと若い女性スタッフの2人体制。18時過ぎにお邪魔したが先客ゼロ、後客1。オープンして1年弱だが清潔感もしっかりと保たれていて、キッチンなども綺麗で掃除が行き届いている印象。卓上の調味料なども整理整頓がされている。 オーナーがソルロンタンをヒントに考えたという事前情報を得ていたこともあるのだろうが、想像していたものと違うスープにやや戸惑う。牛骨だけではなくハラミやタン、ロースなどの牛肉も煮込んでいるという牛白湯は、驚くほどに滑らかで引っかかりがまったくない。仕上げにブレンダーでミキシングしているようだが、実にクリーミーな口当たりなのだ。そして牛ならではの牛脂独特の風味がなく、語弊を恐れず言うならば乳製品のような味わいなのだ。もっと牛らしさが出た味になっているのでは、と思っていたのだがこの方向性はビックリした。もう少し牛っぽさ、いい意味での雑味があると良いのだけれど、牛そばを謳うには綺麗すぎる気がするのだけれど。 具は和牛のローストビーフのほか、従来から使っている船橋産の小松菜や、三番瀬の海苔、淡路島産のレモンなど、素材へのこだわりも明確に主張している。系列に居酒屋もある強みが活かされている印象。このレモンがいいアクセントになっていて、色合いはもちろんスープのリセットにも一役かっている。麺はカネジン食品の中細ストレート麺でスープとの絡みも良い。個人的には平打ち縮れ麺なんかでも合いそうな気がしたけれど。 寸分隙のないパッケージングがお見事な一杯。旨いというよりも巧いラーメンとでも言おうか。橋本さんが抜けてもまるはグループは安泰、と感じさせる店と味であった。

九十九ラーメン 津田沼店@津田沼「九十九ラーメン」700円

 古くからのラーメン好きの方にとっては懐かしさを感じるであろう「九十九ラーメン」。かく言う私もラーメン食べ歩きを始めた頃は、仕事終わりに夜な夜な千葉から恵比寿にまで車を飛ばしたものだ。 その後、2000年に津田沼にも出来たことによって恵比寿に行くことは減ってしまった。一時はかなり店舗数を増やした九十九ラーメンだったが、現在は恵比寿と津田沼の2店舗のみ。最近、飯田橋に久々の新店を出したと思ったが閉めていた。正式名称は「九十九とんこつラーメン」だと思っていたが、どうやら最近は「九十九ラーメン」が正しい店名らしい。 ラーメンバブル華やかなあの頃、もちろん九十九の看板メニューといえば「◯究チーズ」だった。しかし、当時は数量限定メニューだったこともあり、仕事が終わってから深夜に行ってもいつも売り切れ。だから私のファースト九十九にして当時良く食べていた九十九といえばこのノーマルラーメンだった。 豚骨と言いながらも鶏も入り、さらには野菜の甘味も加わったコクのあるスープは今も健在。程よい縮れをもったオリジナルの多加水麺は、その形状に東京であることの主張を感じさせるもの。当時、九十九や屯ちんを食べた時に「これが東京スタイルの豚骨ラーメンか」と合点がいったものだった。 私にとって九十九ラーメンはいわば「青春の味」。もちろん年齢的にはとっくに大人になっていたのだけれど、毎日ラーメンの食べ歩きでワクワクしていた頃の思いが蘇る特別なラーメンなのだ。それが今もこうして、しかも千葉で食べられることがとても嬉しい。

旭川ラーメン 好@津田沼「船橋ソースラーメン」700円

 千葉のラーメンが注目されるようになる前から、20年以上にわたり愛されている老舗。市川国府台で創業し、その後津田沼へ。旭川ラーメンと謳っているが、オリジナリティあふれるラーメンを数多く提供しており、純然たる旭川ラーメンをイメージしていると面食らう。現在は自称「新旭川ラーメン」とのことだが、旭川の藤原製麺の麺を使っているのが旭川の名残だろうか。 店主の榊原一則さんは、長年千葉のラーメンイベントにも参画して下さっている方。60歳オーバーにも関わらず実にお元気だ。今も年中無休でワンオペ営業で頑張っている。そして船橋市内のラーメン店主さんたちと一緒にやっている「船橋ソースラーメンプロジェクト」にも参加下さっている。津田沼は習志野市では、と思われる方も多いかも知れないが、ザックリ言うと津田沼駅の北側が船橋市で南側が習志野市になる。北側にある好は船橋市にあるため船橋市内のラーメン店ということになるのだ。 参加して頂いて以来、何度も改良が重ねられた好スタイルの船橋ソースラーメンは、仕上げにすり下ろすショウガが味のポイント。濃厚なソース味のスープが飽きないようにというアイディアなのだが、かなりの量が入っているのが逆に個性的な味わいになっている。一度食べてハマった常連客はもうこれしか頼まないのだという。アジ干しなども使った好のスープにもソース味が合っている。店ごとに個性が出る船橋ソースラーメン。ぜひ好のソースラーメンも食べて頂きたいと思う。

【新店】鼎泰豐 シャポー船橋店@船橋「担々麺」1,000円

 言わずと知れた台湾料理の人気店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」が、2月9日船橋にオープンする「シャポー船橋 南館」に出店。これで国内出店は19店舗目で、千葉県内は流山おおたかの森に続いて2店舗目となる。1958年に台湾台北市で油問屋として創業し、1972年より小籠包を中心とした点心料理店を展開。日本への出店は1996年で高島屋系列の会社がライセンスを受けて展開中。日本進出が海外初出店となり、現在ではアジアアメリカなど世界10ヶ国100店舗以上を展開している。 看板メニューは小籠包だが当然麺類も充実している。基本となる麺メニューはやはり「担々麺」。中国料理店にありがちなライトな質感のスープではなく、比較的どっしりとした重さがある。芝麻醤がたっぷりと入った胡麻感が強いスープは、台湾で食べたものと印象が異なるのだが、日本向けにローカライズされているのかな。山椒の痺れも香りもおとなしめになっているし。同じ施設内にはけいすけグループの担々麺専門店も出店しているが、まったく異なるアプローチなのも興味深いところ。 この店に来たらやはり小籠包も食べておくべきだろう。いや、小籠包こそ食べなければ。小籠包は小サイズ(4個)で560円なので、担々麺と一緒に食べても1,560円。

らーめん八幡屋@ちはら台「魚介とんこつ」690円

 市原市ちはら台の人気店「和風鰻麺八幡屋」が、2017年10月に全面リニューアル。老舗鰻店「八幡屋」の息子さんが鰻の骨や頭などを使って作る「鰻麺」で衝撃を与えてから早十有余年。旧店舗の敷地内に新たな上物を建てて、ハコも中身も店名までも一新しての再スタートを切った。かつての旧店舗はまだ看板がついたまま残っている。懐かしいなぁ。 看板メニューはこれまでのラーメンの延長線上にある「魚介とんこつ」と、昨年閉店した系列店の麺屋八角でも出していた「豚めん」、さらに「濃口中華そば」の3種で、これらを「八幡屋3大名物」としてメニューはもちろん店頭などでもパワープッシュしている。さらに、あっさり魚介、つけ麺、マー油豚骨、アリラン風、もうなんでもアリだ。 オープン当初は尖っていた印象のある旧八幡屋だったが、どんどんメニューも増えていって幅広い客層にターゲットを広げていた。そのメニューをより伝えやすくするにはこれまでの鰻屋の別館としての建物よりもラーメン店として作られた店の方が伝わりやすいし入りやすい。そういう意図があってのリニューアルなのだろうと思う。 リニューアルしたメニューの中で、この「魚介とんこつ」が一番旧八幡屋らしさを残している一杯になっている気がする。魚粉や節系などが効いた魚介豚骨スープはバランス重視型で飲みやすく普通に美味しい仕上がりになっているが、ラーメン好きやかつての八幡屋を知る人からするとちょっと物足りなさと一抹の寂しさが残るかも知れない。

らーめん八幡屋@ちはら台「豚めん」700円

 市原ちはら台の人気店「和風鰻麺八幡屋」が、2017年10月に全面リニューアル。老舗鰻店の息子が鰻を使ったラーメンを作り上げ話題を集めてから十有余年。旧店舗の敷地内に新たな上物を建てて、ハコも中身も店名までも一新しての再スタートを切った。 看板メニューはこれまでのラーメンの延長線上にある「魚介とんこつ」と、昨年閉店した系列店の麺屋八角でも出していた「豚めん」、さらに「濃口中華そば」の3種で、これらを「八幡屋3大名物」としてメニューはもちろん店頭などでもパワープッシュしている。今回はそのうちの「魚介とんこつ」「豚めん」を食べてみた。個人的にはあまりガッツリ系は得意ではないのだけれど、八角時代のラーメンは決して嫌いではなかったので。 豚めんというメニュー名の通り、豚に関しては二郎などにみられるチャーシューの扱いとは異なり、甘辛く煮た豚バラ肉がたっぷりと盛られている。個人的にはこういうアプローチの豚の方が好き。スープは軽めの背脂チャッチャ系。豚骨魚介同様に食べやすく万人に受けそうなバランスになっている。なお野菜増しや漬けニンニク増しなどにも対応しているので、パンチやボリュームの欲しい人にはカスタマイズも可能だ。

【新店】鶏そば どりどり@船橋「どりにぼ白湯ラーメン」820円

 9月にオープンした「麺屋あらき」系列の新ブランド。契約の関係で本店的な存在であった「麺屋あらき 竈の番人」が閉店して、こちらがオープンした形になる。場所は同じく系列店「戯拉戯拉」の左隣。1Fがカウンター6席、2Fは11席というレイアウトになっている。店主の荒木氏は基本的にはこの店に入っているようだ。 「戯拉戯拉(ぎらぎら)」に「どりどり」である。せっかくなら漢字の当て字で書けば良かったのになどと思いつつも、最初聞いた時には違和感を覚えた店名も何度か聞いているうちに慣れてきた。店名の通りこちらは「鶏」をテーマにしたお店。鶏白湯ベースと、比内地鶏の清湯ベースの2本のスープで、塩、醤油、味噌など7種類のレギュラーメニューを揃えている。 こちらはレギュラーメニューには掲げられていない限定メニュー。とは言え、常時数量限定で用意するつもりでいるとのこと。鶏白湯ベースのスープに九十九里産の煮干しをふんだんに使用している。煮干しを全面に出すというよりは、程よい煮干し感のバランスになっていて食べやすくまとめてある。自家製の細ストレート麺はもう少し茹でた方が好みかな。ビジュアルにやや寂しさを感じるので、何かしらアクセントが入るとより商品力が高まる気がする。 ステレオタイプなイメージのある鶏白湯よりも、こちらの方がオリジナリティがあって印象に残りやすい。あとは「煮干し鶏白湯」というメニュー名を「どりにぼ」にすればパーフェクト、かな。と荒木氏に話していたら、その後メニュー名を「どりにぼ白湯ラーメン」に変えたようだ。