山路力也

フードジャーナリスト・ラーメン評論家・かき氷評論家。著書「トーキョーノスタルジックラーメン」他。連載「SENSE」「世田谷ライフmagazine」「Yahoo!ニュース個人」「All about ラーメンガイド」他。「千葉拉麺通信」「トーキョーラーメン会議」「ラーマガ」運営。「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えています。

記事一覧(113)

【新店】鶏そば どりどり@船橋「どりにぼ白湯ラーメン」820円

 9月にオープンした「麺屋あらき」系列の新ブランド。契約の関係で本店的な存在であった「麺屋あらき 竈の番人」が閉店して、こちらがオープンした形になる。場所は同じく系列店「戯拉戯拉」の左隣。1Fがカウンター6席、2Fは11席というレイアウトになっている。店主の荒木氏は基本的にはこの店に入っているようだ。 「戯拉戯拉(ぎらぎら)」に「どりどり」である。せっかくなら漢字の当て字で書けば良かったのになどと思いつつも、最初聞いた時には違和感を覚えた店名も何度か聞いているうちに慣れてきた。店名の通りこちらは「鶏」をテーマにしたお店。鶏白湯ベースと、比内地鶏の清湯ベースの2本のスープで、塩、醤油、味噌など7種類のレギュラーメニューを揃えている。 こちらはレギュラーメニューには掲げられていない限定メニュー。とは言え、常時数量限定で用意するつもりでいるとのこと。鶏白湯ベースのスープに九十九里産の煮干しをふんだんに使用している。煮干しを全面に出すというよりは、程よい煮干し感のバランスになっていて食べやすくまとめてある。自家製の細ストレート麺はもう少し茹でた方が好みかな。ビジュアルにやや寂しさを感じるので、何かしらアクセントが入るとより商品力が高まる気がする。 ステレオタイプなイメージのある鶏白湯よりも、こちらの方がオリジナリティがあって印象に残りやすい。あとは「煮干し鶏白湯」というメニュー名を「どりにぼ」にすればパーフェクト、かな。と荒木氏に話していたら、その後メニュー名を「どりにぼ白湯ラーメン」に変えたようだ。

【新店】鶏そば どりどり@船橋「鶏白湯ラーメン」780円

 9月にオープンした「麺屋あらき」系列の新ブランド。契約の関係で本店的な存在であった「麺屋あらき 竈の番人」が閉店して、こちらがオープンした形になる。場所は同じく系列店「戯拉戯拉」の左隣。1Fがカウンター6席、2Fは11席というレイアウトになっている。店主の荒木氏は基本的にはこの店に入っているようだ。 店名の通りこちらは「鶏」をテーマにしたお店。鶏白湯ベースと、比内地鶏の清湯ベースの2本のスープで、塩、醤油、味噌など7種類のレギュラーメニューを揃えている。その他に数量限定メニューの「煮干し鶏白湯」もスタートさせている。お店の基本メニューとしては「鶏白湯ラーメン」とのことだったので、初訪ということもありそちらをオーダーする。 スープは国産鶏を使った鶏白湯に香味野菜も加えたもので、一般的にイメージされる鶏白湯とほぼ変わらないステレオタイプなもの。鶏だけではなく野菜由来の粘度もあるようで、ベタつく感じはしない。麺は自家製の太ストレート麺を合わせているが、正直茹で加減がかなり硬めだった。食後にその感想を伝え1分茹で時間を伸ばしたものも試食させて貰ったが、それでも十分硬めの茹で上がり。おそらくこの茹で加減は改良がされていくことだろう。具は鶏チャーシュー、ヤングコーン、水菜、赤タマネギ、カボチャ、ネギに彩りとしてぶぶあられまで乗っているのだが、盛りつけの仕方なのか寂しく見えてしまうのが残念。 ラーメン好きからすれば、麺屋あらきらしさが無いのがやや寂しいが、麺屋あらきらしさが無いからこそ麺屋あらきの名前を使っていないのだろう。だからといって「どりどり」て。どりどりって何なん。どうせなら「塩どり」とか「味噌どり」とかメニュー名もどりどり言っちゃえばいいのにな。

【新店】極煮干し本舗 ベイフロント蘇我店@蘇我「初代極煮干し醤油らぁめん」870円

 2017年10月20日にオープンした「ベイフロント蘇我」の一角に出来た新店。川鉄の工場跡地の再開発として2005年から徐々に広がりを見せる「ハーバーシティ蘇我」。その中にあるいくつもの施設の中でも蘇我駅から至近にあり、国道にも面した好立地。もちろん大駐車場も完備している。 この「極煮干し本舗」は「山岡家」が2016年より手掛けている新業態で、千葉県内は初出店。時々山岡家での限定メニューとして煮干し系は出していたが、それのスピンアウトと言っても良いだろう。店内外に山岡家との関連は一切触れられていないが、幟や店内POPなどにその雰囲気を感じることが出来る。 期間限定の「初代極煮干し醤油らぁめん」(870円)は、豚骨煮干しベースのスープに甘めの醤油ダレが合わせられた一品。背脂こそ浮かないが、どことなく燕系の煮干しラーメンを彷彿とさせる。極太のメンマや刻み生タマネギなどの食感も楽しく、最後まで飽きることなく食べさせる。三陸産のワカメも思いのほか良い働きをしていて、濃い目の味のスープに合っている。バーナーで炙ったチャーシューも甘めの味付けで食が進む。密度の高いストレート麺の食感も良い感じ。 流行の煮干しラーメンなどをよく研究していることが伺える一杯は、いわゆる資本系が本気で煮干しに取り組むとこういうクオリティで仕上げてくるのだな、と素直に満足出来た。ラーメンのクオリティとしては、山岡家本体よりもラーメン好きに受け入れられるのではないだろうか。

【新店】極煮干し本舗 ベイフロント蘇我店@蘇我「極濃煮干しつけ麺」870円

 2017年10月20日にオープンした「ベイフロント蘇我」の一角に出来た新店。川鉄の工場跡地の再開発として2005年から徐々に広がりを見せる「ハーバーシティ蘇我」。その中にあるいくつもの施設の中でも蘇我駅から至近にあり、国道にも面した好立地。もちろん大駐車場も完備している。この「極煮干し本舗」は「山岡家」が2016年より手掛けている新業態で、千葉県内は初出店となる。 基本メニューは「魚介煮干し」「極濃煮干し」「淡麗煮干し」の3種類展開で、魚介と極濃にはラーメンの他につけ麺もある。「極濃煮干しつけ麺」(870円)は一般的な濃厚豚骨魚介系つけ麺よりも、さらに濃度粘度を上げたかなり振り切った一杯。正直、チェーン系なので無難な落としどころにしていると思っていたので、いい意味で期待が裏切られた形だ。 まずつけダレの色が茶濁というよりも灰褐色的な。メニューの写真よりも遥かに灰色が強く、煮干しが全面に出ている印象。骨だけの粘度ではないと思うが素材感がしっかりと感じられて、よく出来たつけダレだと思う。甘さもそこそこあるので途中で唐辛子なり酢を入れるとまた変化が楽しめて良い。太麺はやや固めに上げてあって、個人的にはもう少ししっかりと茹でて欲しいところだがまぁ許容範囲だろうか。 流行の煮干しラーメンなどをよく研究していることが伺える一杯は、いわゆる資本系が本気で煮干しに取り組むとこういうクオリティで仕上げてくるのだな、と素直に満足出来た。そこらの中途半端な個人店よりも遥かに満足度が高いと思う。

【新店】麺屋 音 柏店@柏「特製濃厚煮干しそば」990円

 北千住の人気店「麺屋 音」が柏駅南口に12月1日支店をオープン。今はなき亀有の「麺屋 天翔」のセカンドブランドとして2013年北千住にオープンしたのが「麺屋 音」。濃厚な白濁煮干し系スープで一躍人気となり、2016年には生姜鶏白湯の「麺屋 音 別邸」を本店のすぐ近くにオープンさせ、こちらが3号店となる。 場所は「壱成家」の跡地で、かつてこのエリアで無敵を誇った「王道家」(移転)の並び。セットバックしている独特な建物をうまく利用して、店の前にウェイティングスペースを上手に確保している。南口より歩いて1〜2分で、王道家跡地など近隣にコインパーキングもあるので車でも行きやすいだろう。 メニューは「濃厚煮干しそば」「濃厚鶏塩そば」「濃厚つけ麺」など、基本的には本店を踏襲しているが、柏だけのオリジナルとして「淡麗煮干しそば」がある。訪問時は本オープン前日(11月30日)だったので、準備が出来ていた「濃厚煮干しそば(しょうゆ)」を特製で頂くことに。 本店同様お盆がカウンターに揃えられ、箸は箸置きに置かれている。以前プロデュースしたお店のオーナーが同じことをやりたいと言って、私は反対したのだけれど実際にやってみて、一ヶ月足らずで諦めていた。お盆を毎回綺麗にするのも手間だし、何よりセッティングがとても手間がかかるのだ。それをずっと継続しているこの店はさすがだなぁと思う。 久々に頂く濃厚煮干し。ベースの動物系の強い旨味もさることながら、本店で食べた時よりも煮干し感がより際立って感じる。聞けば本店よりもしっかりと煮干しが取れているのだとか。ステレオタイプな濃厚魚介よりも素材の味わいが際立っている印象で、柚子の風味も良いアクセントに。麺はしっかりとした食感の細ストレート麺で、今年より自家製麺になっている。 西口南口にある既存のラーメン店とは被らない、本格的な濃厚煮干し系が柏に登場。しかしながら、店主の原さんが柏でやりたいことは、味もさることながら「上質で丁寧な提供と接客」でラーメンを出すことなのだそう。そういう高い志を持ったラーメン店が千葉に出来ることはとても嬉しく、意義のあることだと思う。次回は柏オリジナルの淡麗を食べにまた足を運んでみたい。

麺屋こころ 柏店@柏「台湾まぜそば」780円

 2014年、大岡山にオープンした台湾まぜそばの人気店が、2017年6月千葉県に初進出。大岡山のオープン当初に足を運び、テレビや雑誌などでも取材させて頂いたのがついこの間のように感じる。その後、修業先の麺屋はなびの東京進出と同時期に近隣の高田馬場にオープンし、2店舗目出店のスピードに驚いたものだが、気がつけば都内7店舗、神奈川、大阪各4店舗をはじめ国内で19店舗、さらに海外はインドネシアやタイに5店舗、そして2018年春にはカナダのオープンも決まっているという。店主の石川氏は1店舗時代からいずれは支店展開をして行きたいとは話していたが、正直この展開の速さはさすがに想像がつかなかった。 言うまでもないことだが、台湾まぜそばは台湾にはない。名古屋発祥の「台湾ラーメン」の汁無しバージョンだから台湾まぜそばである。特徴は唐辛子とニンニクを使ったピリ辛のミンチに生ニラ。その他に魚粉、ネギ、ノリ、生卵。これらを食べる前に底から持ち上げながらよく混ぜて食べる。個人的にはまぜそば、汁無しの類いはあまり好みではないのだが、台湾まぜそばはバランスが良く出来ていると思う。ポイントは麺を湯切りする時に麺棒でテボに当てて麺肌に傷をつけることで一定の粘性を出すところ。通常の汁そばではタブーともいえる手法だが、こうすることで麺とミンチ、具材に一体感が生まれるのだ。 終盤あたりで卓上にある酢を入れて食べ終えたら「追い飯」をお願いする。このご飯の量はお店の人が残ったタレを見て適量を入れてくれる。ラーメンライスもほとんどしないのに、台湾まぜそばの場合は追い飯までやって完結するような気がする。そして必要以上の糖質を摂取してしまったなぁと若干の後悔をしつつ店を出る。しかし旨いものはたいがい食べ終わった後に後ろめたさが残るものなのだ。

麺やふくろう@馬橋「アジディープインパクト」600円

 私が共同編集しているウェブマガジン「ラーマガ」の限定ラーメン企画「NAKED」の参加作品。基本的にオープンして間もないお店にお願いすることは稀なのだが、店主の青木さんはこれまで多くのお店で限定メニューなども作ってきたベテランなのでお願いした。そして期待以上の驚きの「かけラーメン」を作ってくれた。 まずその名の通りインパクト十分のビジュアルが凄い。黒いスープに黒い麺。千葉県産小麦である「ふさの麦」の全粒粉を使用した自家製麺は、まるで日本蕎麦のような色合い。ややボソっとした食感と素朴な風味が楽しい。なお、試作と撮影の段階では全粒粉の配合が定まっていなかったので、実際のものよりもやや色が濃くなっている。 スープには動物系素材は使わずに房総産マアジの焼き干しを使用。タレは大高醤油の「富士虎醤油」を使用。大高醤油の「フジトラ」ブランドは、大勝軒系などでも昔から使われている醤油。その中でも最高級の「富士虎」を贅沢に使用している。深みはあるのにスッキリと飲み干せるような、アジの旨味がほとばしるスープが良い。スープに浮かべる油もアジの油で、湯気と共に立つ焼き干しの香りが食欲を誘う。薬味のネギももちろん矢切ネギだ。 千葉の食材だけで作った地産地消スタイルのNAKED。海の幸、山の幸が豊富な房総千葉だからこそ出来るかけラーメンに大満足。販売は6月19日(月)〜7月15日(土)一日10食の限定販売となる。

一風堂 ららぽーとTOKYO-BAY店@南船橋「博多細つけ麺」780円

 一風堂の期間限定メニュー「季節のラーメン」。今年の初夏編は毎年恒例の「博多細つけ麺」である。低加水細ストレート麺のいわゆる博多麺を水で締めて、豚骨のつけダレに合わせる組み合わせは、まさに博多のつけ麺と呼ぶべきもの。一風堂は太麺の豚骨魚介つけ麺も提供するが、やはり博多発祥で豚骨ラーメンの店なのだから、この組み合わせを看板メニューのつけ麺として出して欲しいと思う。 とにかくザクザクとした食感の麺が心地よい。これは他のつけ麺では決して感じられないものだ。細麺と太麺だと、実は細麺の方がつけダレをホールドするのに適している。麺と麺の間につけダレがうまく入り込んで、ザクザクした麺を食べるたびに豚骨スープが滲み出てくる。これも太麺のつけ麺では感じられないことだろう。 赤丸でもお馴染みの辛味噌は好みに合わせて。2015年の登場以来、唯一気になっているのがオリーブとオリーブオイルの存在。正直オリーブオイルの香りが邪魔である。赤丸で使っている黒香油をそのまま浮かべてくれるだけで良いのだが。オリーブの代わりにキクラゲ入れてくれるだけで良いのだが。 6月1日より7月17日までの期間限定販売メニュー。なお、このメニューは販売しているところとそうでないところがあるので、一風堂のウェブサイトでチェックしてから出掛けて欲しい。ちなみに千葉県内で販売しているのはららぽーとTOKYO-BAY店のみである。

麺やふくろう@馬橋「GYU丼」980円

 2月19日、馬橋にオープンした新店を再訪(前回訪問時はこちら)。前回と違って店の前に置かれている電飾の看板がふくろうオリジナルになっていた。今は垂れ幕もオーダー中とのこと。夜にしか来た事がないが、視認性がやや悪いのでやはり派手にしておかないとね。 今回は期間限定メニュー「GYU丼」(980円)狙い。これはイタリアンや肉バル、居酒屋などジャンルの異なる飲食店が一つのテーマで「牛丼」を再構築する「SESSION」というコラボイベントの一環。ラーメン屋であるふくろうがどんな牛丼を出すのかと思ったら、ご飯ではなくまぜそばで、しかも牛挽肉で器を作るという凄いアプローチで創作してきた。 肉の重さは300g以上となかなかのボリューム。味を入れて火も入れて丼型に成形したまさに「牛丼」は、注文を受けてから軽く煮ることで熱と味を仕上げに入れるスタイル。麺はシンプルな油そばだが、甘く煮たタマネギが牛丼らしさを表現。丼を崩しながら混ぜて食べる今までにない経験はなかなか楽しいものがある。途中でラー油や酢を入れて味の変化を楽しんでもいい。 一日5食の限定メニューで、かなりリピーターもいるそう。この日もこのメニューを目がけて入ってくるお客さんもいた。28日(金)までなので急いで駆けつけるべし。