2:初顔合わせにこだわる

 四天王ミーティングから数週間後。松井と中田が動き出した。今年のイベントは四天王が厨房に立たない。しかし昨年のイベントのように千葉ラーメンを盛り上げたいという、同じ志を持った店主が多数いることを2人は知っている。そこで松井は田代笑店をはじめ、県内に数店舗を構える田代浩二(田代笑店)に、中田は同じ家系ラーメン店として、また数々のイベントを共に経験した増田和啓(増田家)に今回のイベントの意図を伝え、参加を打診することとなった。田代と増田は以前忘年会の席などで挨拶を交わしたことはあったが、実際に会って話をするのはこの日が初めてだった。

 松井と中田がこの2人に声を掛けたのには理由があった。「やはりこの短い期間でいいものを作るには、何度も試作を重ねないといけないと思うんですよ。そうなると自分みたいに相方と2人だけでやっているお店だけでは難しい。自分のお店の厨房を安心して任せられるスタッフがいる人がメンバーには絶対必要だと思ったんです」と中田は語る。

 そして初顔合わせ。松井と中田、田代と増田。お互いに作るラーメンに違いはあっても、千葉のラーメンファンに満足して貰える一杯を作りたい、という部分で意見が一致。2人の大晦日イベントへの参加が決定した。また彼らと同じようにスタッフが充実している松井自身も合作メンバーに加わることとなった。

 これまでのイベントで培ったノウハウと、合作の難しさを知っている松井がメンバーとして加わることで、盤石の体制が固まった。

 そしてさらなるメンバーを誰にするか、様々な意見が出た。しかし今回は敢えて「初顔合わせ」にこだわることにした。というのも、四天王はその4人が決まるまで、面識がほとんどといっていい程なかった。お互いの人柄はもちろん、ラーメンについてすら知らないところから始まったコラボレーションの企画。だからこそ緊張感もあり、衝突もあり、達成感もあったと2人は思っていたからだ。そして名前が挙がった2人の店主、榊原一則(好)と池田経雄(みたけ)に参加を打診し快諾を受けたのは10月に入ってのことだった。


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