4:一つの厨房へ

 10月某日。らーめん寺子屋に全員集合。まずはとりあえずラーメンを作ってみよう、ということで試作が始まった。

 千葉らしさを何で表現するか、ということについては、前回の会合で「醤油」を活かすということに決まった。しかしそれしか決まっていない中で、ただ醤油ラーメンを作っても意味がない。いかにインパクトのある、そしてオリジナリティのある醤油ラーメンを作るか。やはり冬に出すラーメンということで、ベースのしっかりしたラーメンにしたい。その方向性から、田代は鶏を大量に使うスープを提案し、試作を開始した。「そんなに入れるの?」皆が驚く中で一人にこにこしながらスープを仕込む田代。

 榊原はスープに米を使うアイディアを提案。「韓国とかでは正月に食べたりするらしいんだけどね」と榊原。松井と2人で丸鶏スープを取り、そこに米を入れていくことに。

 「千葉の醤油ラーメンっていうとやはり竹岡式だよね」と池田がつぶやいた。そうなのだ。やはり醤油ラーメンというからにはインパクトのあるあの醤油色が欲しい。そして醤油らしさが立った味にしたい。それとベースの重いスープをどう融合させていくか。濃厚なスープであればあるほど、それが難しくなっていく。

 「油もいろいろと試してみましょうよ」と増田は考えつく素材を色々と持参し、香り油を取り出した。松井は「小さい鍋でいくつかスープを取ってみようか」と蛤などでスープを取って一言「これじゃ七段仕込みだな(笑)」

 この5人が一つの厨房に入るのはもちろん今回の試作が初めて。まずは思い思いの考えを形にして、それに対して意見のすりあわせを行っていく。合作にはこの作業が不可欠なのだ。5人のラーメン職人による手探りの試作は明け方まで続いた。


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