6:ラーメン屋に出来ること

 試作を繰り返し、打ち合わせを繰り返す日々。その中で起こった新潟県中越地震。松井が言った「何かさ、俺達で力になれることはないのかな」誰もが同じことを考えていた。そして今回のイベントの売上げの一部を義援金として新潟に送ることを決め、各店に募金箱を設置して義援金の募金活動をすることが決まった。

 ライフラインが途絶え、温かい食べ物が不足しているという知らせ。何か困っていることはないか、自分たちに出来ることはないか、ということで新潟県に連絡を取って、現地の状況を詳しく聞くことになった。

 新潟県との話の中で、震源地となった北魚沼郡川口町の状況が分かった。近隣の町よりも復旧が遅れ、食事は自衛隊の炊き出しによって賄われているというが、夕食の時間は午後4時。勤めに出ている人が帰宅した時にはもう温かい食事はないのだという。そして川口町に連絡を取り、自分たちに出来ることがあればお手伝いをさせて欲しいと提案した。するともし新潟まで来れるのなら、ぜひラーメンの差し入れをして貰えないか、との返事をいただいた。というのも川口町は自衛隊の炊き出しだけではなく、様々な飲食関係の人達に炊き出しの手伝いをお願いしているのだという。

 そして数日後、他の差し入れとぶつからない日を川口町役場が調整し、川口町の中でも川口地区のおよそ700名の被災者のためにラーメンを作って欲しいという依頼が正式に届いた。

 現地はライフラインの復旧作業中のため、ガス、水道などは使えない。そこで発電器とプロパンガスを持参し、水もポリタンクに分けて全てを持ってラーメンを作りにいくための準備が始まった。そして知り合いの業者や行政などにも趣旨を説明し賛同を得ることが出来た。そして一緒に行く有志も続々と集まってきた。善意の輪がどんどん広がっていき、新潟行きが可能となったのだ。


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