7:新潟県川口町へ

 新潟の被災地にいる人たちのために、ラーメン屋に出来ることをしよう。5人を中心に有志が集まって、震源地となった川口町でラーメンの炊き出しのお手伝いをした。川口町川口地区の700名用のラーメンを、川口町商工会館前でテントを張って作るのだ。

 試作で何度も顔を合わせ、同じ厨房に立ってラーメンを作ってきたとはいえ、実際にお客さんにラーメンを出すのは初めてのこと。しかも事前の試作はゼロ。数回の打ち合わせの中で今回のラーメンについて話し合われたが、果たしてそれぞれが描いていたラーメンが同じなのか。しかしその心配は杞憂に終わった。

 松井は製麺所と打ち合わせを重ね、特注の麺を発注していた。それは「茹で伸びがしない」麺。「年輩の方が多いと聞いてたし、テントまで持っていって食べる人もいるということだったからね。出してすぐ食べられない人のことを考えたんだ」とは松井。スープは丸鶏をベースに豚バラ肉を寸胴に入れる。「万人に喜んで貰えるようにあっさりテイストに仕上げました。鶏と豚肉の旨味が出て美味しいと思います」と増田。田代は「お客さんの要望に応えましょうよ。味の濃さや油の多さ、麺の固さもせっかくだから聞きましょう」と提案。遠くまで運んでいく人に対しては麺も固めに出来る、という配慮もあってのことだった。

 現地に入って被災者の方たちと直接話をした面々。そこで感じたことは「元気に頑張ろうとしている」熱い気持ち。「だから思い切り元気のある炊き出しにしようよ。地元の人たちと一緒に盛り上げれるような楽しい炊き出しにしよう」という松井の提案に一同もうなづいた。

 田代が行列さばきをしながら、被災者の方たちににこやかに冗談を交えて声をかける。行列では笑い声が絶えずおこり、時には拍手なども。厨房からは大きな声で「お待たせしましたぁ!」の声。被災者の方たちは皆食べ終わったあとわざわざ厨房のところまで来て「ありがとう」と言ってくれた。「ラーメンを作って最後まで食べていただいて、ありがとうって言われたことはないよね」「こちらこそありがとう、という気持ちでいっぱいです」新潟の人と千葉のラーメン屋が一つになった夜だった。

川口町炊き出しお手伝いのご報告


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