第5回:すみいちらーめん(都賀)

名店の流れをくむ新店で炭火で煮込んだチャーシューを堪能

の中でなくてはならない存在なのが「チャーシュー」という人は多いだろう。箸で持てないほどトロトロとか、丼を覆うほどたくさん乗っているとか、人がラーメンを語るその時に、その店自慢のチャーシューの存在を語らない人はいないはずだ。

 しかし、私は個人的にはチャーシューに対しては原則として冷ややかである。自由な発想が活かせるのがラーメンなのに、判で押したかのように申し訳程度の小さなチャーシューを乗せた、思想のないラーメンのいかに多いことか。「何故自分のラーメンにはチャーシューを乗せるのか」「このラーメンに一番合っている具は果たして何なのか」チャーシューを乗せるなら乗せる理由があって然るべきで、存在意義のない中途半端なチャーシューなら乗ってない方がすっきりするとさえ思っている。

 そんな私でも、この存在は認めざるをえないという、存在感あふれるチャーシューを出している店がある。今年6月、都賀に出来た「すみいちらーめん」は、鎌取にある人気店「炭一らーめん」の支店で、店主は東金の人気店「ぐうらーめん」で修業後に独立した店である。現在厨房には鎌取で腕を奮っていた店主自らが立っている。

 店内には醤油の香りが立ちこめて、いやがおうにも食欲をかき立てられる。その秘密は店先にある七輪。これを使ってじっくりと煮込まれたチャーシューは肉厚で柔らか。そのチャーシューを煮込んだ醤油はタレとしても使われており、肉のうま味が醤油ダレに溶けだして、ラーメンに深い味わいと香ばしさを与える。修業先よりも若干油を多めにしたチューニングだが、そのラーメンはさっぱりしながらも後を引く一杯に仕上がっている。自家製麺の食感もよく、粉の密度が詰まった食べ応えある麺だ。

 「うちのチャーシューが一番旨い」と言い切る店主。圧倒的な存在感で主役を張っているかと思えば、時にはラーメンの味を下支えする。「すみいち」のチャーシューは変幻自在の役割を持つ、乗るべくして乗っている具なのだ。