第6回:豚骨らーめんくまちゃん(本納)

パチンコを打つ合間に本格的なトンコツを心ゆくまで味わう喜び

チンコを真剣にやろうとするとどうしても持久戦になる。数時間パチンコ台と向かうというのも当たり前。そうすると当然お腹が空く。だいたいパチンコ店には隣接して立ち食いソバ店やラーメン店が併設されていることが多いのだが、その場合の食事はあくまでも空腹を満たすことが目的で、それ以上のことを求めるのはぜいたくだと思っていた。しかしこのお店はそんな私の先入観を軽く越える本格的なラーメンを提供してくれる店なのだ。

 しかしこの店も以前はどこにでもある普通のラーメンを提供しているに過ぎなかった。パチンコ店が客の為にと併設したラーメン店は、FCのノウハウをそのまま使っただけのポリシーを持たない店。しかし店を任されていた田中店長はラーメン職人の兄に刺激を受けて、今出しているラーメンとそのスタイルに疑問を感じ、本格的なラーメンに取り組む決意をした。それはパチンコ店の客が求める、料理が早く出てきてメニューが多く、定食もあるような従来の営業スタイルの否定でもあった。それをオーナーでもあるパチンコ店に直訴した時、「お前の好きなようにやってみろ」と言われたのだというから、そのオーナーの英断に拍手を送りたい。

 田中店長はそれから精力的に食べ歩きを始めた。兄の紹介で都内や県内のラーメン店主とも出会い、様々なアドバイスやヒントを貰った。そして厨房でラーメン作りに明け暮れる毎日。そして完成したラーメンは、豚の頭や牛の骨など100kg近い素材を丸一日じっくり煮込んで作られる本格派の白濁豚骨ラーメン。なめらかでクリーミーな白濁スープに、さらなる味の層を加えているのが魚介系ダシ。サバ節や宗田節などのうま味が動物系の素材と見事に融合している。そしてスープの表面には特製のカツオ油が浮かべられコクと香りが足されている。食べ始めのインパクトは決して強くないが、じわじわとうま味が攻めてくるスープだ。

 この店のラーメンをパチンコ店のラーメンとあなどるなかれ。パチンコの合間に軽く腹に入れて…などと思ってラーメンを食べると、きっと今までパチンコを打っていたことすら忘れてしまうだろう。パチンコ店の隣りにあるにはもったいない一杯。それがこの店のラーメンなのだ。