第15回:四街道紅丸(四街道)

「ラーメン不毛地帯」で洋食出身の男が挑む創作つけ麺の可能性

街道は私のようなラーメン食べ歩きの人間からすると、正直なところあまり魅力を感じない町であった。しかしそんな四街道に新たな実力店がオープンした。かつて無風地帯だった市原市五井を、一躍人気エリアにした「麺や紅丸」が、四街道に進出を果たしたのである。その名も「四街道紅丸」。店名に四街道と入れたあたりに店主のこの地にかける気合いが感じられる。

 紅丸の人気メニューといえば、やはり独創性の高い「つけ麺」だろう。ホテルの洋食部門で経験を積んだ店主は、つけ麺の既存概念にとらわれず自由な発想でつけ麺を開発した。サバ節の風味が鼻腔をくすぐり、チャーシューの煮汁とたまり醤油のうま味とキレが感じられるつけダレにはたっぷりの具が。このつけダレは一度具と共に小鍋で煮てから提供される。こうすることで味に一体感が生まれ、具そのものにも熱が加わるのである。他の店に較べて手間のかかる工程ではあるが、この一手間が紅丸独自の味の秘密でもあるのだ。

 店主は独立する際にインターネットでラーメンが盛り上がっていることに触れ、以来県内の様々な人気ラーメン店を食べ歩いた。その中で北習大勝軒(北習志野)で食べたつけ麺に感動し、自分なりのアプローチで試行錯誤してオリジナルのつけ麺に挑戦し完成させた。「地元市原でもつけ麺を認知させたい」との思いで開業して3年あまりが経ち、今ではつけ麺は市原のお客さんの定番となり、紅丸本店では8割がつけ麺目当てのお客さんになったのだという。その自信作「紅丸つけ麺」で今度は四街道のお客さんにもつけ麺の美味しさを知ってもらいたい。それが市原につけ麺を広めた店主の次の目標だ。

 「美味しいラーメンに不毛地帯なんてものはない」そう自信を持って言い切る店主。この店主がいる限り、本当に四街道がラーメン激戦区になる日が来るのかも知れない。