山路力也

フードジャーナリスト
ラーメン評論家/かき氷評論家
コラムニスト/ミュージシャン

「作り手の顔が見える料理」を愛し、
「その料理が美味しい理由」を考えています。

【主な著作】
「トーキョーノスタルジックラーメン」(幹書房)/「ラーメンマップ千葉シリーズ」(幹書房)/「ワナドゥ!!手帳 ラーメン」(ロフト)/「ラーメンWalker千葉」(角川マーケティング)/「千葉ラーメン最強の222軒」(角川書店)/「千葉拉麺案内」(角川書店)/「休日のごちそう食堂千葉(共著)」(幹書房)/他

【連載・レギュラー

記事一覧(203)

【新店】麺や 空と大地@八千代台「チーズトマトラーメンM」820円

 八千代台という場所にはラーメン以外で来た事がない気がする。味噌の名店「パンケ」を食べに来たのが最初だろうか。以前、この街にプロデュース店があったこともあり、近隣の中華屋さんやラーメン店を調査がてら食べ歩いたのも懐かしい。そして今回ももちろんラーメン目的。いまだにユアエルムの中に入った事がない。 八千代台駅西口ロータリーから線路沿いを南下する形で歩いて5分。踏切の先あたりに佇む一軒家の壁面には大きく店名が描かれているので、迷う事はまずないだろう。近隣にはコインパーキングも点在しているので、車でのアクセスも困ることはない。こちらは2020年3月にオープンした新店だ。 ウッディで可愛らしさもある作りの店内。厨房に面する形のストレートカウンターにテーブル席は、しっかりと間引きがされている。店入り口にはアルコール消毒も。券売機のメニューは「煮干しそば」と「トマトラーメン」の二枚看板。通常ならば煮干しそばを食べるところなのだろうが、最近「リコピンリッチ」にハマっている身としては、迷う事なくトマト一択。チーズの有無?聞くまでもなくチーズ入り。 動物系素材、化学調味料不使用のスープは魚介の乾物が使われているのかな。ベースのトマトソースがしっかりと作られているので、旨味も十分で物足りなさはまったくない。ホールトマトでコクを出し、フレッシュトマトでトマトらしい酸味も加えてバランス良く表現出来ている。ソースとスープを小鍋で合わせているので、しっかりと味が馴染んで温度もキープ。卓上にあるタバスコやオリーブオイルが合うのは言うまでもない。 チーズはいわゆるとろけるチーズと粉チーズ。粉チーズの下には薄い肉が敷かれていた。全体の調味が強いので燻香は感じなかったが、チャーシューではなくパストラミかな。味わい的には牛ではなく豚だろう。緑の野菜はバジルではなくホウレンソウ。ただ、ハーブ香はするのでソースかスープに入っているか、ハーブソルトを使っているのかも知れない。麺は山田食品の全粒粉麺で、麺量は150〜160gあたりか。スープとの相性は悪くなく美味しい麺だと思うし、他のメニューとの兼ね合いもあるのかも知れないが、もっとこのスープに合った麺があるはずだ。 イタリアンのアプローチを取りつつ、ギリギリラーメンに引っかかっているバランス。店主の出自は知らないが、ラーメン以外の料理経験がある人が作っているのが分かる一杯だった。次回は煮干しを食べに来よう。

【新店】雷 千葉駅前店@千葉「濃厚雷そば(ミニ)」820円

 緊急事態宣言下、千葉県は特定警戒都道府県に指定されているが、感染拡大防止に万全の対策をとって未訪の新店へ。 2020年1月、千葉富士見にオープンした、雷千葉駅前店へ。かつて富士見大勝軒があった場所の跡地にとみ田系列のガッツリ業態が登場。雷は松戸に二店舗あり、千葉エリアには初の出店になるが、かつて近隣に大黒屋本舗があったので、久々の帰還的なイメージもある。 店頭ではテイクアウトの弁当が売られていて、時折求めている客もいた模様。店内は仕切りがしてありしっかりとフィジカルディスタンスを確保。入店時のアルコール消毒も用意されており、ドアも開放で換気もしっかり。 昨年夏に松戸駅東口店で食べて以来なので、9ヶ月ぶりの雷そばはもちろん「濃厚」で「ミニ」サイズに。どろりと濃厚なスープに心の味食品製の太麺が合わせられたパワフルな一杯。 スープがかなりどろどろなのに、しつこさをまったく感じないのは、脂に頼っていないからなのかな。調味こそ違えどとみ田の濃厚なスープと同じベクトルを感じる。 サイズはミニでも麺の量が150gあるので、普通の店のノーマルサイズと同量。ニンニクガッツリ効かせて満腹。やっぱりこのラーメンはニンニクを入れないと完成した気がしないのだ。

ラーメン杉田家 千葉店@東千葉「ラーメン+のり」820円

 またまた来てしまった杉田家。言わずと知れた家系総本山吉村家直系店が千葉にある喜び。ラーメンにハマって家系を知った時、まだ千葉に家系ラーメンは皆無と言ってもいい状況。わざわざ都内や横浜まで車を走らせて食べに行った事を思うと、今の千葉市の家系状況は下手したら横浜よりも豊かなのではないかと思えてしまう。 千葉県が緊急事態宣言を受けてから初の訪問となるが、店舗の入り口は開放して換気を確保してあり、アルコール消毒液も設置。営業時間も短縮されている。店内はソーシャルディスタンスが考慮されていて、カウンターは1席飛ばしで席を間引く旨の貼り紙とアナウンスが成されている。なお、通常は深夜まで営業しているが、緊急事態宣言中ということもあってか、この日は時間短縮にて営業されていた。 美味しいラーメンは美しいというのが持論だが、この日のラーメンも実に美しかった。真ん中に鎮座するチャーシューと、その下に配置された青菜、扇状に並べられた海苔、そしてキラキラと鶏油が浮いた茶褐色のスープに、そこから覗く酒井製麺の艶やかな麺肌。食べる前から美味しいのが分かる。 昨今の量産型というかジェネリック家系との決定的な違いは、骨のフレッシュな旨味と鶏油のコク、そして醤油のキレだ。その中でも本牧家や六角家などの出身店と吉村家の流れを汲んでいる店との違いは醤油感の強さと、しなやかで香ばしいチャーシューだろう。末広家や千葉家、武蔵家など本物のハイレベルな家系ラーメンが多い千葉市だが、どちらが良い悪いかではなく杉田家はやはり他とは違う存在感。どの家系も好きだが、杉田家を食べたくなった時には他では替わりにならない。

家系ラーメン 王道いしい@浜野「ラーメン+のり」820円

 新型コロナウイルスの感染拡大防止による「緊急事態宣言」が発出された千葉県。飲食店に関しては生活に必要なインフラであるという判断から、営業自粛要請は出ていない。三密の状況にならない配慮やソーシャルディスタンスの確保など、適切な感染拡大防止策を講じた上での営業が求められている。 個人的に家系ラーメン好きなこともあり、オープン以来リピートしているこちら。ドアはしっかり開放してあり、入口や手洗い場には消毒用アルコールも設置。席を間引いてはいないが、適切な距離を取った誘導をされているなど、しっかり対策が出来ている印象。営業時間も通常時よりは短縮して営業している。 こちらは柏の王道家出身ということで、流れとしては家系総本山吉村家の孫弟子のポジションになる。とはいえ、王道家は吉村家直系からは外れているので、こちらの店も麺は酒井製麺ではなく王道家のオリジナル麺を使用している。つるっとした食感の平打ち麺は、家系原理主義的な私からすると家系ラーメンとしては少し違和感を感じてしまうのだが、麺そのものとしては密度の高い存在感のある麺で好みだ。 吉村家直系よりもしっかりと重みがあり、それでいてしつこさがないバランスを持ったスープが美味しい。キレがあり醤油の香りが立つカエシも、スモーキーでしっとり柔らかなチャーシューもいい。毎回頼んでしまう「チャーシューまぶし」もこの店ではマストアイテム。マヨネーズやゴマを自由に使ってワシワシと掻っ込む至福の時。

千葉拉麺通信からのお願い

 新型コロナウイルスの感染拡大防止を受けて、千葉県は緊急事態宣言下の「特定警戒地域」の指定を受け、不要不急の外出に対する自粛要請が出されました。 それに伴い、様々な業種に対しての休業要請が出されていますが、ラーメン店をはじめとする飲食店については、社会生活を営む上で必須である「生活インフラ」のひとつとして、原則として通常営業ができることとされています。 しかしながら、テレワークが進み外出する人も激減する中で、ラーメン店に足を運ぶ人も減っているのが現状です。この状況が続くと閉店を余儀なくされてしまうラーメン店が多発する恐れがあります。大好きなあの味が食べられなくなってしまう危機です。 どうか、自身の感染防止や他者への感染拡大防止の意識と知識をしっかりと持った上で、千葉のラーメン店に足を運んで下さい。自分が好きで通っているお店を応援してあげて下さい。テイクアウトメニューなどあれば買ってあげて下さい。皆さんの行動が千葉のラーメン店を救います。 同時に千葉のラーメン店の皆さんには、ソーシャルディスタンスの確保など「三密」にならない安心な環境作りをお願いします。自店が集団感染(クラスター)にならないよう、細心の注意を払った営業をお願いします。 世界の誰も経験した事のない戦いの真っ只中です。皆で協力し合って、千葉のラーメンを守っていきましょう。2020年4月8日千葉拉麺通信 主宰山路力也(Ricky)

千葉拉麺通信20周年

 お陰様で「千葉拉麺通信」は20周年を迎える事が出来ました。これも日々アクセスいただいているユーザーの皆さんと、千葉のラーメン店の皆さんのお陰です。ありがとうございます。 千葉初の千葉専門ラーメン情報サイトとして、2000年2月17日に開設されたこのサイト。インターネット黎明期であった1990年代後半、数あるラーメンサイトの中で、千葉の情報を専門的に扱ったものが無かったことから、千葉ラーメン情報のパイオニアになるべく千葉のラーメン情報だけを発信するサイトとして開設致しました。 千葉のラーメン界を盛り上げるべく、さらに千葉のラーメン好きの人たちが集い、千葉のラーメン店を営む人たちとも交流が出来る場所となるべく、多くのユーザーからの投稿を掲載するラーメンサイトを目指しました。またいち早くラーメンイベントを開催したり、店主間のコラボレーションを企画したり、カップラーメンやプロデュース店舗を手掛けるなど、それまでのラーメンサイトとは異なる様々な企画も立ち上げて、千葉のラーメン界を盛り上げる活動を続けて来ました。その結果、20年間で累計3,500万超アクセス、2億PVを超える、個人運営としては日本一の規模を誇るラーメンサイトになりました。 開設した当初はまさか20年も続くとは夢にも思いませんでしたし、ただのラーメン好きだった私がまさかラーメン評論家として仕事をすることになるとは思ってもいませんでした。お陰様で最近はフードジャーナリストとしての仕事も増え、さらに関西や福岡のラーメン情報も発信するなど、残念ながら地元千葉での活動が減っており、このサイトの更新頻度も低くなってしまっております。 しかしながら、私の原点はやはり千葉のラーメンであり、この千葉拉麺通信である事は変わりません。これからも千葉のラーメン好きの方たちや、千葉のラーメン店を営む方たちと共に、微力ながら千葉ラーメン界を盛り上げて参ります。今後とも千葉拉麺通信を宜しくお願い致します。2020年2月17日千葉拉麺通信 主宰山路力也(Ricky)