ラーメン西山家 君津店(君津)

 2018年9月、木更津駅前の屋台で人気だった店の実店舗が君津にオープン。「カレータンタンメン大河家」の跡地。屋台は現在も営業しているそうなので、屋台が本店でこちらは屋台の支店か。店主は千葉の家系ラーメン草分け的存在である、木更津の林家にいた方とか。屋台は未訪なので今回が初となる。
 超保守的家系好きとして、昨今の量産型家系ラーメンに辟易としている私としては、こういう「正しい家系ラーメン」の新店は嬉しくて仕方がない。しかし「正しい家系ラーメン」って何なんだろう。この店でラーメンが出て来るまでのあいだ、しばしそんな事を考えていた。
 ゲンコツ、背ガラ、鶏ガラなどを使い店内でスープを炊いている。取り切りではなく常時骨を継ぎ足し組み直して、ひたすらスープを取り続けている。麺を平ざるであげ、もちろん変な湯切りパフォーマンスはしない。麺は酒井製麺が望ましい。ホウレンソウは冷凍物が望ましい。レンゲは添えない。ネギは申し訳程度しか入っていない。店主は独学ではなく家系店で修業経験がある。必要以上に愛想を振りまく事なく、短髪でタオルを頭に巻き白の上下。店内BGMはラジオが望ましい。
 これぞザ・昭和のラーメン屋。平成も終わろうとしているのに昭和。この店は上記の要素のほとんどをクリアしている。違うところは麺が酒井ではないことと、ホウレンソウが冷凍ではないくらいか。麺は大橋だろうか。屋台の方は湯切りパフォーマンスがあるそうだが、こちらの店はいたって寡黙でシンプルだ。
 ノーコール、すべてノーマルで注文したが、やや油多め味濃いめのイメージで出て来た。カエシが強めでやや醤油角が立ったような印象だが、竹岡式でもお馴染みの富津宮醤油を使っているのだとか。この地域ならこのくらいの塩度が丁度良いのかも。鶏油はもう少し甘さが欲しいところだが許容範囲内。

 チャーシューは大判でしっかりとしたものが二枚。ホウレンソウは食感がシャキシャキなのは家系っぽくないかな。海苔はヘタレ過ぎず溶けず、ネギも少なめでいい感じ。盛りつけも丁寧で良い顔をしたラーメン。正しい家系の定義はいまだ難しいところだが、この店は私的に正しい家系と言いたくなる、そんな店だ。


ラーメン西山家 君津店
君津市西坂田4-6-3
11:30〜22:00(LO21:30)
水曜定休
JR線「君津」駅より徒歩10分

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