三代目 沖食堂(巌根)

 2022年4月オープン。昭和30年創業の久留米を代表する老舗『沖食堂』の暖簾分け店が木更津に爆誕。久留米出身の店主は沖食堂が大好きで、沖食堂が代替わりのタイミングで勇退される二代目に直訴して暖簾分けを許された。

 豚骨と鶏を羽釜で炊いて呼び戻し製法で仕上げるスープはややクサのライトなシャバとんで、タネとなるスープは沖食堂の本店から持って来たとのこと。程よい豚骨臭を持ったスープは骨や油の旨味もしっかりある。久留米製麺から直送される沖食堂と同じオリジナル麺で、タレも丼も沖食堂と同じもの。替え玉も無ければ麺の硬さも選べません。うんうん、正しいわぁ。これでいいのだ。

 久留米の本店とかなり近い味わいで関東向けにローカライズされていないのが良い。一般的に久留米ラーメンは『大砲ラーメン』などのイメージから濃厚なラーメンというイメージを持つ人が多いが、実際現地の久留米で食べ歩くと濃厚なラーメン以外のラーメンが多い印象で、こちらはいわゆる「食堂系」の味わいになっている。

 もちろん食堂系なのでやきめしもマスト。こちらも炒飯ではない焼飯。これも見事に再現されていると言って良いだろう。なぜか久留米の食堂系の焼飯はフルサイズしかない店が多いのだが、こちらにはハーフサイズがあってホッとした。沖食堂ならではの「ピースおにぎり」も悩んだが、焼飯の誘惑には勝てなかった。

 あまりにも本場の久留米ラーメン過ぎるので、果たして木更津の地で受け入れられるのか?と思われる方もいるだろうが、ご存知のように木更津君津エリアは八幡製鐵(現日本製鉄)の製鉄所があり、半世紀以上も前から福岡の人たちが移住しており、老舗の豚骨ラーメン店がいくつもあるエリア。むしろ関東向けにローカライズされていない方が刺さるのではないかな。どうせなら今後是非とも「支那うどん」もメニューに加えて欲しいな。

 この日は一軒目も豚骨だったので、結果として木更津で福岡の豚骨ラーメンを連食。かたや関東風にローカライズされた博多ラーメン、かたや本場そのままの久留米ラーメン。どちらもとても満足出来る味わいだった。


三代目 沖食堂
木更津市金田東5-4-1
11:00〜15:00,17:00〜21:00
不定休
JR内房線「巌根」駅より徒歩20分/東京湾アクアライン連絡道「木更津金田」ICより車で1分

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