【限定】麺処まるわ(作草部)

 その創業は2008年と、十年以上にわたり人気を集めている実力店。今の時代、十年お店を続けていくということは大変なこと。そんな中で今も地元に密着した営業スタイルで、変わらぬ人気を守り続けているのは素晴らしいことだ。
 レギュラーメニュー同様に限定メニューのクオリティが高いのもこの店の特徴。様々なアイディアを具現化しているのは、現店長である庄野氏の力量が大きい。今回のメニューは私も責任編集に名を連ねているウェブマガジン『ラーマガ』の限定ラーメン企画の一品。「NAKED」と名付けられた企画の趣旨は、麺とスープだけの「かけラーメン」であるということ。その縛りの中で庄野さんが挑んだのはカレーラーメンだった。
 まるわが位置する作草部や西千葉のエリアは、千葉大学をはじめ多くの学校がある文教地区。学生が好きなカレーライスだが、近年カレーの専門店などが閉店したりと、食べる場所が少なくなっているという。そういう背景でこの街にカレーラーメンを根付かせたいというのが、店長の庄野勇さんの思い。
 「作草部式焼きラーメン」という名前は、調味料やスープ、そして麺も含めて鍋で焼きながら仕上げていくことから。ある種、タンメンや札幌味噌ラーメンの製法にも近いスタイルとなっている。ベースとなるスープは豚骨で、そこに味噌、カレー粉、小麦粉と生姜やバターを入れて鍋の中でカレースープを作る。隠し味となるのは自家製のトマトパウダー。トマトの酸味は前に出ずに旨味だけを加えたような、まさに隠し味となっている。表面に掛け回されたオリジナルのソースは魚介と辛味をプラスする味変的なアイテム。これらの要素がどれも突出することなくバランスよく配されているので、最後まで飽きずに楽しむことが出来る。
 具がないということをまったく意識させず、最後まで一気に食べ切らせてしまう美味しさがあるカレーかけラーメン。残ったスープに白飯を入れてフィニッシュしたくなる。新しいけれど懐かしさをどこか感じさせる力作だ。

麺処まるわ
千葉市稲毛区轟町4-1-13
11:00〜14:30,17:30〜22:30/土日祝11:00〜15:00,17:00〜22:00
月曜定休(祝の場合は営業、翌休)
千葉都市モノレール線「作草部」駅より徒歩1分、JR線「西千葉」駅より徒歩8分

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