鯛塩そば 灯花 ペリエ千葉店「鯛塩らぁ麺」800円

 2020年2月、四谷三丁目の人気店『鯛塩そば灯花』が千葉に初進出。千葉駅直結の商業施設『PERIE(ペリエ)』の地下に出来た飲食店街の一角。正直なところ、それほど期待もしておらず、後回しにしていたらオープンから一年が経ってしまった。

 誤解のないように言えば、私は『鯛塩そば灯花』という店は好きである。宇和島産の新鮮な真鯛をびっしりと寸胴に積んで取った鯛出汁の美味しさには驚いたものだ。さらに新鮮な真鯛の身を乗せてラーメンスープで食べる茶漬けも、ラーメン店とは思えないクオリティで感動した。その後、創業者は会社をバイアウトして、運営は別の会社となった。そして当然のことながら、これまで路面店で異なるブランドを出店していた戦略から、商業施設へとチェーン展開していく戦略に舵を切った。2020年だけでも3店舗を矢継ぎ早に出店し、2021年も出店が続く予定になっている。個人店がチェーン店になってしまったのだ。

 メニュー構成は基本的には四谷三丁目と変わらない。看板メニューである「鯛塩らぁ麺」と「こだわり胡麻鯛茶漬」を頂いた。結論から言うと予想よりも遥かに良く出来ている。しかしそれは、お店の味を真似たカップ麺が良く出来ている、というのに等しい意味合いであり、期待してなかった割には頑張っている、というニュアンス。つまりはやはり四谷三丁目で食べて感動したものとは違う、ということだ。しかしそれは当然のことであり、そういう意味では実に良く頑張っていると思う。

 本店を食べられたことのある方はお分かりかと思うが、『鯛塩そば灯花』というパッケージは、普通に考えて店舗展開がしにくいメニュー構成だ。職人の経験がものをいうスープ。それを千葉の商業施設に持っていこうとすると、必然的に置き換えたり妥協する部分が出て来るし、むしろそうでなければチェーン展開する意味はない。そうなるとそれは美味しい不味いではなく、別物となってしまうのは当然のことだ。

 スープはフレッシュな香りが無かったり、チャーシューは低温調理のレアチャーシューではなくバラ肉ロールの炙りだったり、メンマが穂先メンマではなかったり。たかがそんなこと、と思われるかも知れないが、バラ肉炙りのチャーシューではスープを邪魔してしまうし、普通のメンマではどんは上の見た目のバランスが悪くなる。四谷三丁目のラーメンはそのあたりもしっかりと計算されて作られていたものなのだ。

 繰り返すが、私は『鯛塩そば灯花』が好きであるし、千葉で食べたラーメンも決して悪いとは思わない。接客もちゃんとしていたし、オペレーションもしっかりしていた。ただ、ラーメンマニア的な視点で考えると、やっぱりこのラーメンは多店舗展開には向いていないと感じてしまう。四谷三丁目で食べたものとはやはり別物だと言わざるを得ないのだ。

 もちろん大本を知らない普通のお客さんが食べればきっとこのラーメンを美味しいと感じるだろうし、この店を良しとするのだろう。だからビジネスとしては正解なのだろうが、やはり最初の店を知っていた人間としては寂しさを感じずにはいられない。


鯛塩そば 灯花 ペリエ千葉店
千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉B1

11:00〜23:00(LO22:30)
無休
JR線・千葉都市モノレール線「千葉」京成線「京成千葉」各駅より徒歩1分

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