2020年12月、八王子市にオープンした『黄金拉麺 鶏のおかげ』が話題になった。人気店『饗くろ㐂』店主、黒木直人さんが全面プロデュース、運営は外食企業『ヴィアホールディングス』。このヴィアホールディングスの主力ブランドが、焼鳥業態の『炭火焼鳥オオギヤ』だ。
リーズナブルな焼鳥居酒屋チェーンながら、焼師を置いて炭火で焼き上げる焼鳥が人気の店。このオオギヤは従来の『やきとりの扇屋』『備長扇屋』『本陣串屋』を「オオギヤ一新」のもとに統合した新ブランド。実はオオギヤでも黒木さん監修のラーメンを食べる事が出来るのは、意外に話題になっていない。それが2020年11月から販売されている「饗 くろ㐂 監修 鶏ニラらーめん」だ。
ベースのスープは鶏の旨味が感じられる軽めの清湯で、甘みとキレのある塩ダレが上手にスープをまとめている印象。そこにたっぷりの刻みニラと、豆板醤で味付けした鶏肉そぼろが乗る。麺は中細の多加水麺で茹で過ぎることなく。熱々で出て来るのも立派。締めのラーメンとしては十二分に満足出来るクオリティ。
何より商品力が高くて感心する。まず鶏そぼろを使って、他には余計な具を乗せずに「焼鳥屋の締め」というコンセプトがしっかり貫かれている。さらにオペレーションや手数も少なく、煩雑な居酒屋キッチンでも提供しやすい。そしてしっかり普通に美味しい。ラーメンを突き詰めながらも、かつて大手飲食企業にいた黒木さんでなければ、ここまでの商品は生み出せなかったのではないだろうか。お見事。
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