中華ソバ 篤々(勝田台)

 勝田台に9月オープンした新店へ。路地裏にある長屋の一軒を改装した店は、周りの雰囲気とは違った白を基調にした洒脱なファサードが目立つ。店内はL字カウンター7席に4名用のテーブル1卓。テーブル席のエリアはおそらく小上がりだったところをフラットにしたのだろう。店のあちらこちらに古い店の名残が感じられる。お昼時にお邪魔して客は数名の入り。

 メニューは「煮干しソバ」「生姜煮干しソバ」の二種類のみで、大盛りも無いという潔さ。あとは味が変わる「和え玉」や煮干し出汁で炊いたご飯がある。もちろん基本となる「煮干しソバ」を頂くことに。スープは小鍋を使って一杯ずつ仕上げている。厨房での仕事ぶりや立ち振る舞いも丁寧で綺麗だ。

 和食や日本蕎麦店の経験があるという店主が作るラーメンは、動物系素材不使用で大量の煮干しを使ったスープが印象的。ふかよかな表情を持つスープは旨味が重層的で、おそらくカタクチのみならずアジやサンマなどいくつかの種類を合わせているのだろう。濃口醤油で作られたカエシも深い味わいで、スープとのバランスや塩度をスープの旨味を殺さない絶妙なところに収めている。具は肉の味を残した程よい調味のチャーシューが美味。スープを吸った花麩は見た目にも味的にもいい働きをしている。ただ、菅野製麺の細ストレート麺はやや硬めの茹で方で、この麺だともう少し茹でた方が麺の良さがより発揮出来ると思った。

 ラーメンに関しては経験が少なそうだが、料理をしっかりやって来ている事が分かる一杯。素材の良さをしっかり活かした上質なラーメンに、スタイリッシュな店構え。私はもちろん気に入ったし、ラーメンマニアには受ける要素が満載だが、果たして勝田台の普通の地元住民達にこのパッケージがどれだけ訴求するか。言い換えるなら平日の夜にどのくらい人が来る店になれるかがカギだろう。

 このエリアのラーメンレベルを上げるにはこういう店がもっと増えなければならないと思うので、是非ともこれからも頑張って頂きたいな。要定点観測、期待値が高い新店の登場だ。個人的にはこの店主が動物系素材をどうスープに仕上げるのかもみてみたい。なお、週末などは早仕舞いもあるそうなので、土日などは早めの時間の訪問が望ましい。


中華ソバ 篤々
八千代市勝田台1-5-27
11:00~14:30,17:00~20:00
月曜定休
京成線・東葉高速線「勝田台」駅より徒歩2分

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