2001年創業の人気店へ久々の訪問。元料理人でドラマーの店主が松戸市で創業。料理人の経験を生かしたオリジナリティあるラーメンが評判を呼び、南柏に移転後も変わらぬ味で人気を集めている。久々の訪問をお詫びしつつ店内へ。
聞き慣れぬ店名の「ぽーかろぅ」は、TOTOの名ドラマー、Jeff Porcaroを敬愛していることから。店主自身もドラマーなので、店内の随所に楽器やレコードなどが置かれて、プチHard Rock CAFE状態。店頭には提灯代わりに光輝くPearlのタムがぶら下がっていて、カウンターのパーテーションはアルバムジャケット。昔のお店にはフルドラムセットも置かれていたのを思い出す。
アイディア豊富な店主なので限定ラーメンも気になるが、久々の再訪なのでやはりここは初志貫徹でスペシャリテの「とまとらーめん」を。スッキリとした味わいの塩ラーメンには、煮込まれた有機トマトがたっぷり入り、バジルも振りかけられて香り豊か。贅沢にも厚く切られたカルピスバターが溶け出すことで、さらに味わいが深くなる。菅野製麺の特注細縮れ麺もスープをしっかりとキャッチ。
構成する要素は間違いなくイタリアン、欧風なのだが、昨今のトマトラーメンにありがちなスープパスタ的にはなっておらず、ちゃんとラーメンに着地しているのが素晴らしい。そもそもの設計が昨今のトマトラーメンとはまったく異なる。この味はラーメンでしか表現出来ない。それこそ20年選手のラーメン屋としての矜持であり、これこそ真のトマトラーメンなのではないかと思うのだ。
最近のラーメンは既視感にあふれるラーメンばかりだが、2000年前後のラーメン店主たちは皆がオンリーワンやナンバーワンを目指して、日々チャレンジしていたように感じる。20年前と比べて美味しいラーメンは劇的に増えたが、ワクワクするような楽しいラーメンは劇的に減った。このトマトラーメンは20年変わることなく美味しくてワクワクする一杯だった。また違うラーメンを食べに来なければなるまい。
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