【新店】豚骨黒潮(館山)

 2025年4月12日、JR館山駅東口の駅前に『黒潮拉麺』の2号店がオープンすると聞き、オープン初日に館山までやって来た。というのも、彼らが2021年に東京から館山にやって来た時にはコロナ禍中ということもあって、3年ほど放置プレイしてしまった過去があり、昨年の移転時にはお詫びの意味も込めてオープン初日に足を運んだのだが、私のお詫びはまだ終わっていないのだ。

 今回の店は館山駅前にある『房州第一ビル』をリノベーションした『sPARK tateyama』という民間のパブリックスペースの一角へ1年間の期間限定出店。このスペースはフリーアドレスのフードコート的な空間になっており、『豚骨黒潮』はスペースに入ってすぐ、以前は『猪そば 匠』があったエリアになる。

 かなりの狭小スペースでよくここでラーメンを出そうと思ったなと思うような。実際、ガスが使えずにIHのみの熱源となっており、当初はスープを使わないまぜそばも考えたそうだが、一度やりたかったというオリジナルの豚骨ラーメンでの出店。スープなどの仕込みは本店で行い、現場には女将が立つことになるという。

 メニューは「豚骨ラーメン」「チャーシューメン」とご飯もの。券売機で麺の硬さを指定するのはナイスアイディア。オープン初日ということもあって、本店は休んで西牧夫妻が揃って厨房に入っているが、確かに麺上げは女将が担当している。フードコートスタイルで食券を渡すとワイヤレスの呼び出しブザーが渡される。

 さて肝心のラーメンだが、一言で言えば万人受けする美味しい豚骨ラーメン。臭みやしつこさも一切なく、館山の地元の人たちがノーストレスで食べられる豚骨ラーメン。もちろんこの立地であるからその設計意図は十二分に理解出来る。言うまでもなく味はしっかりとしていて美味しいし、メラミン丼なのはこういう場所なので安全性を考えると当然だろうし、チャーシューもしっかりとした厚みがあり、ラーメンとしてケチをつけるところはまったくない。しかし黒潮拉麺が、西巻夫妻が作るラーメンとなるとこれはちょっと話が変わってくる。

 一ラーメン好きとして捉えると特徴や個性が全く感じられない、既視感のあるラーメンなのは否めない。『黒潮拉麺』らしさというかオリジナリティというか、彼らがこのラーメンをやる意味が見えてこないのだ。黒潮という名前に引っ掛けてマー油を浮かべた黒いビジュアルにするとか、麺は『浅草開化楼』伝説の麺である【q=(^ー゚)チーメン】を細く切り出したものだが、敢えて細麺ではなく太麺で出すとか。マニアに寄り過ぎずに館山の人たちにも食べられる範囲内で、彼らなら何かしらのオリジナリティを出せたはずだと思うのだが、なんでこんな普通の豚骨ラーメンにしてしまったのだろう。むむむむむむむ。


豚骨黒潮
館山市北条1880-1 sPARK tateyama内

11:00〜15:00 ※材料切れで終了
月木定休 ※臨時休業あり
JR内房線「館山」駅より徒歩1分

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