ラーメン猪太(柏)

 柏に猪太が帰って来た。2019年8月11日リニューアルオープン。創業は1998年の20年選手。長年、柏のみならず千葉のラーメン界で人気を博していた猪太が、前店舗の建物の建て替えで閉店以来一年ぶりに柏に復活。北千住にあった支店を閉めて、移転する形での復活リニューアルオープンとなる。
 お祝いも兼ねてオープン初日夜の部のシャッターを狙ったが、お盆の渋滞にガッツリとハマって、やや到着が遅れてしまった。外待ちは常時20人ほど。皆、復活を待ちわびていたのだなぁ。
 新店舗は柏郵便局の目の前。千葉の古いラーメン好きならば「麺屋こうじ」の創業店の並びと言えば分かりやすいか。コインパーキングもあちこちにあって便利。新築なのかは分からないがかなり綺麗な建物で、猪太カラーの紺色の看板には「自家製麺 産直野菜」の文字が。店内はL字カウンター6席に補助カウンター1席、さらに2名用テーブルが2卓。
 6つ口あるガスコンロに耐熱性の丼をかけて煮立てる猪太独特の製法。熱々の丼に豚骨スープとタレを注ぎ、自慢の自家製麺を茹でて入れて、すでにお皿にセットしてある野菜やチャーシュー、味玉などの具材一式をスライドさせるように丼の上に乗せて、蓋をして軽く煮立てたらそのまま提供。目の前で蓋を開ければ豚骨の香りの湯気が立ち上り、グツグツ熱々のラーメンとご対面。
 粘度ではなく旨味の濃度が高い豚骨スープは健在。このスープを20年も前から出していたのだから凄いよなぁ。19年前に初めて食べた時の衝撃は今も鮮明に覚えている。今でこそ千葉にも濃厚な豚骨ラーメンはあるが、あの当時は千葉はおろか隣県近県まで広げても、ここまで濃厚な豚骨ラーメンは猪太しかなかったと思う。
 かん水を使わず布海苔を練り込んだ自家製ストレート細麺はしなやかな食感で、グツグツ煮立っているスープの中でもへたれない。野菜は地元柏産のもので、煮込み過ぎていないのでシャキシャキとした食感が心地良く、だんだんスープと馴染んでくる。後半は麺にもスープの味が染みて、スープには野菜の甘さも溶け出して、味や食感が変化していくのもこのラーメンならでは。
 食べ始めから食べ終わりまでのストーリーが見事に描かれた豚骨ラーメンは唯一無二。私とキャリアも年齢もほぼ同じ店主の鈴木さんが厨房に立つ姿を見ると勇気付けられると共に、このラーメンが千葉にあることを誇りに思う。

ラーメン猪太
柏市柏3-8-12
11:30〜14:30,17:00〜22:00
無休
JR常磐線・東武アーバンパークライン「柏」駅より徒歩8分


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